湯を沸かすほどの熱い愛(映画)

 

涙   ★★★★
 
母性愛 ★★★★
 
 
悲しんでる姿でも苦しんでる姿でもなく、ただ必死になっている姿を見せられたとき、人は感動をおぼえるんだということを改めて感じさせられた映画でした。
 
末期がんを宣告された母親役の宮沢りえさんの演技は、視聴者だけでなく、共演者さえ、撮影しながら本気で心を奪われているのではないかと感じさせられます。
また、まるで自分のすぐ身近なところで起きてる出来事のように思ってしまうほど、フィクションを忘れさせるリアリティがあります。
 
そんな死と向き合う女性とは対称的に、気ままで頼りない周りの男たち。 
でもそんな男たちの存在が独特な絵になっていて、この映画の味わいを引き立てる重要な要素になっているように思います。男気のない男の持つ不思議な魅力?
 
田舎町で銭湯をいとなむ家族、青い海の広がる過去の町、あてもなくヒッチハイクの旅をする青年、ある日ふらっと家を出てしまう旦那。そんなゆったりと時の流れる風景の中で、宮沢りえさんが演じる主人公をはじめ、女性たちに限っては、現実に直面し、それぞれ強く生きています。
 
誰もがそれぞれ主人公の母性愛に引き寄せられてゆきます。
 
【製作年】
 2016年
 
【上映時間】
 125分
 
【監督・脚本】
 中野量太
 
【キャスト】
 宮沢りえ    幸野双葉
 杉咲花     幸野安澄
 オダギリジョー 幸野一浩
 伊東蒼     片瀬鮎子