「死ぬのはガンに限る」らしい⁉
『大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ』 著:中村仁一
著者は、特別養護老人ホームに勤める医師。
最後まで点滴注射も酸素吸入も一切しない「自然死」を数百例見てきたという。
その著者は、
「死」という営みは本来、穏やかで安らかだったはずです。それを医療が濃厚に関与することで、より悲惨でより人間的なものに変貌させてしまった
という。さらに「死ぬのはガンに限る」とまで断言する。ガンでさえも(ここでは文脈から高齢者の場合を言っていると思われる)、何の手出しもしなければまったく痛まず、穏やかに死んでゆくのだという。
がんは徐々に進行してゆくし、比較的最後まで意思清明で意思表示可能なため、死の準備もしやすいらしい。
がんの話以外にも自然死に関連する「飢餓」と「脱水」の話題から、人間は極限状態になるとモルヒネ様物質を分泌させる話が事例を交えて紹介されており、興味深かった。
・エンドルフィン(内因性モルヒネ様物質)は大量失血や敗血症によるショックによって分泌されるといわれているらしい。
・老衰時の飢餓や脱水の状態は、実はいい気持ち。
・酸欠状態にもモルヒネ様物質が分泌されている可能性があるらしく、柔道の締め技で落とされた人は、異口同音にみな気持ちよかったというらしい。
・アフリカの草原でライオンに襲われるシマウマにもエンドルフィンが出ていると思われる。
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